今回は、山口周さんの「読書を仕事につなげる技術」の感想・書評記事です。
山口周さんといえば、キングコング西野亮廣さんもオススメする著作家で(詳しくはコチラ)、新時代を生き抜くためのヒントについて発信しています。
知性を「正解を出す力」と思ってる人が多いけど、今どきそんな能力には一ミリの価値もありません。これからは「問題を見つける力」がカギです。皆んなが「そんなもんだろ」で済ましていたことに「ちょっと待て、これっておかしくねーか?」と言って「確かに…」と言わせられるか?
— 山口周 (@shu_yamaguchi) January 29, 2020
「読書を仕事につなげる技術」は、「本から得た学びをいかに自分の中に落とし込むか」に焦点を置き、その具体的な方法について書かれています。
感想としては、「何のために本を読むのか」という根源的な理解が深まり、今までの自分の読書法をアップデートしてくれる内容でした。
- 「読書を仕事につなげる技術」の概要
- 「読書を仕事につなげる技術」で面白かった内容
- 「ビジネス書マンダラ」で紹介されている書籍
すぐに実践できる方法ばかりなので、読書好きの人は是非読んでみてください。
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ちなみに私も、Kindle Unlimitedで読みました。
「読書を仕事につなげる技術」はこんな本

まずは、「読書を仕事につなげる技術」の概要についてお伝えします。
概要
「読書を仕事につなげる技術」は、以下の7つの章で構成されています。
- 「仕事につなげる読書」6つの大原則
- 【ビジネス書×何を読むか】ビジネス書は「これだけ」読めばいい
- 【ビジネス書×どう読むか】古典には読む「順番」がある
- 【教養書×何を読むか】好きな本を読んで「ライバルと差別化」する
- 【教養書×どう読むか】情報の「イケス」をつくれ
- 「書店を散歩する」技術
- 「本棚」で読書を仕事につなげる
特徴としては、「ビジネス書」と「教養書」で異なる読み方を提案している点ですね。
その目的や理由については次項で述べますが、個人的にはとても腑に落ちる考え方でした。
また、本の選び方についても詳しく書かれているので、「何を読めばいいのかわからない」という悩みも本書で解決されます。
こんな人におすすめ
「読書を仕事につなげる技術」 は以下の人におすすめです。
タイトルにある通り、あくまで「仕事につなげるための」読書法なので、娯楽目的で読書を楽しんでいる人には向いていません。
「読書を仕事につなげる技術」は、読書で自分を成長させたい人のための本といえます。
「読書を仕事につなげる技術」で面白かった内容

続いて、「読書を仕事につなげる技術」で特に面白かった部分、勉強になった内容をご紹介します。
- 成果を出すには「2種類の読書」が必要
- 5冊読むより、1冊を5回読む
- 教養書の読み方
成果を出すには「2種類の読書」が必要
筆者は、高い知的生産性を上げるには、2種類の読書が必要といいます。
- ビジネスパーソンとしての基礎体力をつくるための読書…ビジネス書を読む
- ビジネスパーソンとしての個性を形成するための読書…教養書を読む
この2つの読書が両輪となって初めて、その人らしい知的成果につながるというわけです。
ちなみに教養書とは、哲学、歴史、心理学、医学・脳科学、工学などのカテゴリーを指します。
双方には読み方にも違いがあります。
- ビジネス書…名著だけを読む(狭く深く)
- 教養書…雑多な本を幅広く読む(広く浅く)
理由は、新刊ビジネス書に書いてあるほとんどの内容は、古典的名著を繰り返し説明しているに過ぎないから。
一方、教養書の場合は他人とは違うインプットが差別化(個性)につながるため、興味の赴くままに様々なジャンルを読むべきだから。

読書を2種類に分けて考えると、本を読む目的がより明確になりますよね。
5冊読むより1冊を5回読む
良い本は繰り返し読む―。
これは、本書で何度も強調されている内容の一つです。
1度読んだだけでは必ず忘れてしまうため、一冊の本を掘り下げて読むことが重要というわけですね。
筆者はこれを「T字型の読書」と言っています。

ただし、広く浅く読むことに意味がないわけではありません。
「T字型読書」に値する良い本に出合うためには、広く浅く読むことが必要なのです。
幅広いジャンルの本を読みながら、何度も読み返したくなる「読みがいのある本」を見つけるということですね。
教養書の読み方
筆者は、ビジネス書はすぐに実践できる内容であるためメモは取らないそうです。
一方、教養書の場合はビジネスに直結するわけではなく、いつ役に立つかもわからないため、以下の「3回読み」でノートをとります。
- 線を引く
- 5つ選ぶ
- 転記する
1.線を引く
1回目は、気になった部分にアンダーラインを引きながら読む。迷ったら、引く。
2.5つ選ぶ
2回目の読書で、線を引いた箇所のうちどこを転記するのかを決める。基本的5か所、多くても9つまで。
3.転記する
単に転記するのではなく、以下の3つを整理して必ずビジネスや実生活への「示唆」を書き出す。
- 面白かった箇所…アンダーラインを引いた箇所を転記
- ビジネスや実生活に対する示唆…1の内容からビジネスにどう生かせるかを考える
- 具体的なアクションの仮説…2を受けて「では具体的にどうするか」を考える

2と3がよくわからないなぁ。
ビジネスや実生活への「示唆」 ってどういうこと??
本書の具体例を出しますね。
ここでは「働かないアリに意義がある」という本を元に1~3の作業を行います。
- エサへのルートを確実にトレースするマジメアリのコロニーよりも、一定の比率でルートを間違えるアリが存在するコロニーの方が、結果的には外的変化に対して生き残れる確率が高い
- 現在のビジネスに100%組織のリソースを投入してしまうと、新しいビジネスの芽は生まれない
- ある程度のリソースは、直接的な利益が見込めないような研究や新規ビジネスの開発に当てたほうがよい
要は、アンダーラインを引いた部分から得た気付き(2)、それを踏まえた具体的な行動(3)を書き出すということですね。
「読書を仕事につなげる技術」を読んで感じたこと

本書では、教養書の読書を仕事につなげるときに大事なのが「抽象化」だと書かれています。
先程の例でいえば、
ルートを間違えやすいアリのコロニーの方が、生き残れる確率が高い
という事例について、他の分野に応用可能な抽象度で捉え直し、
ビジネスに100%組織のリソースを投入してしまうと、新しいビジネスの芽は生まれない
という「知恵」を生み出す作業ですね。
簡単に言うと、細かい要素を捨てて「要するに○○だ」とまとめることですが、実はこれ、前田裕二さんの話題書「メモの魔力」でも全く同じことが書かれているんです。
参考>>「メモの魔力」の感想と概要。前田式メモ術を実際にやってみた
ただこの「抽象化」って、読書だけでなく、日々の出来事や自分の失敗談についても同じことがいえますよね。
ある事象から、いかにして「生きた知恵」を生み出し、自分の血肉に変換するのか。
「読書を仕事につなげる技術」を読んで、物事の本質を抽出し、自分の行動に落とし込む作業の重要性を改めて感じました。
ビジネス書マンダラの超基本の6冊

「読書を仕事につなげる技術」では、筆者がすすめるビジネス書として「ビジネス書マンダラ」という図が掲載されています。
経営戦略、マーケティング、意志決定などの項目ごとに合計71冊が紹介されていますが、ここではその中でも「超基本の6冊」として厳選されている書籍をご紹介します。
①『MBA経営戦略』
②『グロービスMBAマーケティング』
③『ざっくり分かるファイナンス』
④『人事屋が書いた経理の本』
⑤『問題解決プロフェッショナル』
⑥『意思決定のための「分析の技術」』
まとめ:「読書を仕事につなげる技術」を無料で読もう

以上、「読書を仕事につなげる技術」の感想・書評でした。
ビジネス書や教養書をよく読む人にとっては、効率的な読書法を知るための必見書だと思います。
今ならKindle Unlimitedで無料で読めるので、是非この機会に利用してみてくださいね。
「読書を仕事につなげる技術」を読んで、キャリアアップにつなげましょう。
Kindle Unlimitedで読める本や登録方法については、「【30日間無料】Kindle Unlimitedの評判。どんな本が読めるの?」で解説しています。
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