
- 洋楽で英語の勉強をしたい
- 洋楽を聞いてほんとに英語を習得できるのかな
- 洋楽は英語初心者にも効果があるんだろうか
本記事はこんな方に向けて書きました。
好きな洋楽を聞くだけで英語を話せるようになるなら、これほど楽なことはないですよね。
でも残念ながら、英語の習得はそんなに易しいものではありません。
私も最初は洋楽を聞いて英語の勉強をしていましたが、なかなか実際の英語力には結びつかず、途中で勉強法を変えました。
- なぜ洋楽を聞いても英語が上達しないのか
- 英語学習において洋楽で得られる効果
ちなみに現在の私の英語力は、「基本的な日常会話はOK」「海外旅行でも困らないレベル」です。
もしもあなたが、このくらいの英語力を目指しているのなら、勉強を進める上で本記事の内容が役に立つと思います。
洋楽を聞くだけでは英語の勉強にならない理由

洋楽を聞いても英語が上達しない理由は、以下の3つです。
- 視覚情報がないため効率が悪い
- 歌詞が会話形式ではない
- 目的に合った勉強ができない
視覚情報がないため効率が悪い
英語学習としての洋楽の効果を考えたとき、一番の欠点となるのは視覚情報がないことです。
なぜなら私たち人間は、目で「見て」、耳から「聞く」ことで言葉を理解しているからです。
例えば子どもは、コップで飲み物を飲む人を「見て」、コップという言葉を「聞いて」、コップは飲み物を容れるものだと理解するようになりますよね。

コップを知らない人にとって、視覚情報なしに「コップは水を飲むもの」と言葉だけで聞いたとしたら、なかなかイメージできないはずです。
言葉を学ぶときは、視覚と聴覚がセットじゃないと圧倒的に効率が悪いのです。
歌詞が会話形式ではない
例えばEd Sheeranの大ヒット曲「Shape of you」。
冒頭の歌詞は以下の通りです。
The club isn’t thebest place to find a lover
So the bar is where I go
Me and my friends at the table doing shots
Drinking fast and then we talk slow
和訳すると、以下のようになります。
クラブは恋人を探すのにベストな場所じゃない
だから僕はバーにいく
友達とテーブルでショットを飲んで
たくさん飲んでゆっくり話そう

「恋人を探す男の子の独り言」ですね。
でも、英語習得の目的は、相手と会話できるようになることですよね?
洋楽の歌詞のように自分が一方的に話すシチュエーションだけでは、会話能力は上がりません。
「相手が~~と言ったから、自分は~~と答える」というコミュニケーションのやり取りから学ぶのが一番の近道なのです。
目的に合った勉強ができない
英語を学ぶ目的は人それぞれ違います。
私の場合は、海外旅行をもっと楽しめるようになりたくて、まずは旅行英会話の勉強から始めました。

空港での会話、機内での会話、レストランでの会話…と、想定されるシチュエーションに合わせて勉強しました。
他にも、以下のように個々の目的に沿って勉強していきますよね。
- 仕事のためにビジネス英語を学びたい
- 留学するためにまずは日常会話をマスターしたい
ところが、洋楽での学習は一人ひとりの目的に合わせることができません。
ビジネス英語のための曲、旅行英会話のための曲なんてものはありませんよね。
結果的に、「ただなんとなく洋楽を聞いて、勉強をしている気になってしまう」という状況になりかねないのです。
中級者以上には洋楽で勉強する効果はある

とはいえ、洋楽が英語学習にとって全くのムダというわけではありません。
洋楽を聞くメリットは以下の3つです。
- リスニング力が上がる
- 発音練習になる
- 文法に捉われないフレーズが学べる
ただし、上記の効果が得られるのはあくまで基本的な英語力が身についている人だけです。
英語初心者が勉強をするときは、先程も述べたように視覚情報と合わせて単語やフレーズを覚える必要があるため、洋楽だけで学ぶのは厳しいです。
リスニング力が上がる
洋楽の効果で最も期待できるのが、リスニング力のアップです。
英語を聞き取れない要因の一つに、リンキング(Linking:連結音)とブレンディング(Brending:混合音)があります。
要は、「2つの英単語を繋げて1つの英単語のように発音すること」です。
例えば、「Can I~?」は「キャン・アイ~?」と言ってしまいがちですが、ネイティブは「n」と「I」をつなげて「キャナイ~?」と発音します。
同様に、
- a lot of→「アラタブ」
- not at all→「ナラロー」
- make us→「メイカス」
- turn away→「ターナウェイ」
など、ネイティブが喋る英語は実はリンキングやブレンディングだらけです。
このような発音に耳を慣らすという意味では、洋楽は最適だと思います。

リンキングとブレンディングを理解できるようになると、リスニング力は飛躍的にアップしますよ。
発音練習になる
リスニング力が上がるということは、自身の英語の発音も良くなることを意味します。
赤ちゃんも、まずは言葉を聞いて覚えてから喋り出しますよね。
大人の英語学習も同じで、正しく聞き取ることができれば、正しい発音で話すことができます。
リンキングとブレンディングを意識して、好きな洋楽を歌ってみましょう。

私はカラオケでも洋楽を歌いますが、モチベーションが上がりますよ。
文法に捉われないフレーズを学べる
洋楽の歌詞には、曲のリズムや拍子に合わせるために、
- 正確な文法ではないフレーズ
- ネイティブしか使わない言い回し
がたくさん含まれています。
そのため、より実践的な英語を学ぶことができるんですね。
例えば、Taylor Swift の 「Blank Space」。
歌詞の中に「Ain’t it funny? (面白くない?)」という表現が出てきますが、「ain’t」 は「 am not、 are not、 is not」の省略形であり、文法的には正しくありません。
方言のようなもので、地域によっては普通に使われていたりするため、音楽の歌詞にも頻繁に出てきます。

例えるなら、外国人にとっての関西弁のようなイメージですね。
このように洋楽を通して、辞書には載っていないローカルな言葉を学ぶことができるのも一つのメリットです。
結論:洋楽での英語学習の効果は限局的

ここまでの内容をおさらいします。
- 洋楽での英語勉強は、初心者には向いていない
- 理由は、①視覚情報がない、②歌詞が会話形式ではない、③目的に合った勉強ができない、という3つ
- ただし、中級者以上にとっては、リスニング力アップや発音練習につながるというメリットもある
洋楽での学習は、言語獲得のプロセスから逸脱した戦略となるため、初心者には難易度の高い勉強法ということですね。
中級者以上においても、洋楽で得られる効果はあくまで限局的。
逆にいえば、①視覚情報がある、②会話形式で学ぶ、③目的に合った勉強をする、という条件を満たしていれば、それは効率的な勉強法といえます。
以上、「洋楽を聞くだけでは英語の勉強にならない理由」についてでした。
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