【感想】ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルーの書評・考察

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」感想と書評読書
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今回は、ブレイディみかこさんの書籍「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の感想です。

本書は、イギリスに在住する著者が、「元底辺中学校」に通う息子との日常を記したノンフィクション作品です。

率直な感想としては、イギリスのイメージが良くも悪くも覆された一冊でした。

人種差別、貧富の差、LGBT、いじめ、政治を通して、息子が成長していく様子が描かれており、イギリスの複雑で混沌とした社会に触れることができます。

なつ
なつ

「Yahoo!ニュース ・本屋大賞2019ノンフィクション本大賞」を受賞し、話題になっています!

本記事の内容
  • 「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」のあらすじ
  • 「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の感想

特に、差別問題や教育に興味がある人、イギリスに行ったことのある人、子育て中の人にオススメの本です。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」あらすじ

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」あらすじ

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の感想の前に、まずは概要から説明します。

そもそも「ブレイディみかこって誰?」という方もいますよね(私もそうでした)。

というわけで、著者と本の内容を簡単にご紹介します。

著者について

著者のブレイディみかこさんは、福岡県生まれの保育士、ライター、コラムニストです。

高校卒業後は、アルバイトをして資金を貯めてはイギリスへ。

1996年からイギリスのブライトンという街に在住し、現在はアイルランド人の夫と一人息子の3人暮らし。

ロンドンの日系企業で数年間勤務した後、保育士資格を取得し、保育所で働きながらライター活動を開始しています。

主な作品
  • 『労働者階級の反乱――地べたから見た英国EU離脱』
  • 『ヨーロッパ・コーリング』
  • 『子どもたちの階級闘争』
  • 『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう』
  • 『保育園を呼ぶ声が聞こえる』

本の内容

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は、著者が「元底辺中学校」に通う息子の中学校生活を綴った本です。

それまでは、市のランキングのトップを走るカトリック小学校に通っていた息子。

同級生のほとんどはカトリックの中学校に進学する中、なぜ息子はいじめやレイシズム、喧嘩が日常茶飯事の「元底辺中学校」に通うことになったのか。

また、その学校生活の中で次々に起こる問題・事件に対し、正面から向き合い、成長していく少年の様子がリアルに描かれています。

なつ
なつ

著者の息子の日常を辿ることで、イギリス社会に蔓延る貧富の差、人種差別を痛感させられます。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」感想

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」感想

続いて、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んだ感想です。

簡単にいうと、本書によって、良くも悪くもイギリスのイメージが大きく変わりました。

私は海外旅行が大好きで、これまでヨーロッパの色んな国を周りましたが、「また行きたい!」と一番強く思ったのがイギリスだったんですね。

私のイギリスのイメージ
  • 男性が紳士的
  • 都会だけど緑も豊かでのびのびした雰囲気
  • 他のヨーロッパ諸国と比べて、人がフレンドリー

しかし、上記のイメージはあくまでイギリスという国のほんの一部に過ぎませんでした。

現実は、もっとシビアで複雑な社会。

彼らの生活で日常的に起こる差別や偏見に、私が旅行で見た「優しさ」は何だったんだろうとも思いました。

ただ、「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んでよりイギリスに興味を持ったことも確かです。

その現実を自分の目で見てみたいし、もっとイギリスという国について学びたいとも思いました。

主人公はなぜこんなに立派なのか【考察】

主人公はなぜこんなに立派なのか【考察】

私が本書を読み終えて最も強く感じたことは、「この男の子すごい。この年齢で自分で考える力を持っていて、他人の立場になって物事を捉えることができるなんて。」ということでした。

というわけで今回は、なぜ著者の息子がこのような子に育ったのかという視点で述べていきたいと思います。

私が考えるに、主な理由は以下の3点です。

  1. 人種の異なる両親を持ったから
  2. 底辺中学校に入ったから
  3. イギリスの教育方針

一つずつ考察していきます。

異なる人種の親を持つということ

本書の主人公である男の子は、アイルランド人の父親と日本人の母親を持ちます。

見た目は母親似で東洋人の顔をしているため、周りから「チンク」「春巻きをのどに詰まらせたような東洋人」と侮辱の言葉を受けるんですね。

なつ
なつ

「春巻きをのどに詰まらせたような東洋人」って何なんですかね(笑)。

ちなみに「チンク」とは、中国人と表す差別用語のようです。

おそらく侮辱してきた白人からすると、黒人も黄色人も「非白人」という認識でしかなく、差別や偏見の対象になるのでしょう。

このあたりの実情って、日本人の両親を持ち日本で暮らす私たちにとっては、あまり体感することがない話ですよね。

また彼は、両親の人種が異なるということで、自分は何者なのかというアイデンティティの問題にもぶち当たります。

国際結婚した友人の話を聞いて、「外国人の旦那さんいいなぁ~」としか考えていなかった私ですが、本書を読んでその裏に起こりうる悲しい現実や殺伐とした事情を知りました。

元底辺中学校での生活

2つ目は、主人公が元底辺中学校に身を置いたことです。

「ホワイト・トラッシュ(白い屑)」という差別用語で表現される白人労働者階級の子どもたちが通う中学校として知られ、数年前までは常に学校ランキングの底辺にいた中学校。

小学校の同級生が皆カトリックの中学校に進む中、元底辺中学校に進学すると決めたこと。

この選択が、その後の少年の生き方や価値観を構築する一つのポイントだったように思います。

いじめやレイシズム自体はあってはならないことですが、その問題に対してなぜそんなことが起こるのか、どう対処すべきなのか、と正面から対峙することが彼の成長を促したのではないでしょうか。

イギリスの教育方針

3つ目はイギリスの教育方針です。

読んでいて面白かったのは、日本の授業内容との違いです。

例えば、イギリスの中学校教育には「ドラマ(演劇)」という教科があり、自己表現能力、創造性、コミュニケーション能力を高めることを目的としています。

なつ
なつ

なかなかユニークですよね。

また公民や政治の授業では、ディベートを通して自分で考え、主張するところまでをゴールとしています。

このように、自分を表現するということに重きを置いた授業って、日本ではあまり見かけません。

少なくとも、私が小中学生の頃は全くありませんでした。

こうしたイギリスの教育方針が、物事を客観的に捉え、他人の立場で考える子どもを育成しているのかなと思います。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」はこんな人にオススメ

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」はこんな人にオススメ

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は、以下のような人にオススメです。

  • 教育、政治、差別、性に興味のある人
  • イギリスに行ったことのある人
  • エッセイ本が好きな人
  • イギリスが好きな人
  • 子育て中の人

私は本書を通して、10代の少年から沢山のことを教わりました。

読み応えのある一冊ですよ。

興味のある方は是非読んでみてください。

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